大空の唄


私を傷付ければ傷付けるだけ


彼らのも心にも傷がつく


どうしようもなかったんだと思う


本当に、どうしようもなかったんだと…



加害者である彼らは、歴史が生んだ被害者だった


でもそんなことを知らない世間が彼らの行動を認めてくれるはずもなかった


いつも体にあざを作り俯くあたしを見てみんなは言う


「可愛そうに

どうして自分の子供にあんなことできるのかしら?」


「普通の人間の出来ることじゃないわよね…」


ひそひそとあたしを指さし囁く声


苦しかった


どこにも居場所がなくて、どこにも生きる意味がなくて


ドウシテ生まれてきたんだろう?


そう、ずっとずっと思っていた


あたしもまた、愛なんて知らずに育っていた


そして、私が3歳の時…




< 333 / 378 >

この作品をシェア

pagetop