大空の唄
『ねぇ、絢音
もう、嫌よね?
毎日毎日殴られて痛くて
もう、こんなの嫌よね?』
母は、そう言って初めて私を抱きしめた
その時母が泣いていた理由が当時のあたしには分からなかった
『私も嫌なの、もう、終わりにしましょう
みんなで、一緒なら怖くないわ』
そう言って、母はあたしの首を締めた
どんどん薄れていく意識の中で
アタシは夢を見た
どんどん体が闇にのまれていく夢を
あぁ、あたしの居場所はここだったのか
そう、思いながら目を閉じた