大空の唄


その人は神様ではなかった


でも、神様のような人だった


…とは言っても神様にあったことなんてないけれど


彼はあの教会の神父さんだった


この人が神様だったらもっとこの世界は平和に回っているだろうな…


そんな風に思えるような人だった


神父さんは、目を覚ましたあたしに暖かいココアを持ってきてくれた


『君はここに来た記憶があるかい?』


あたしは小さく首を横に振る


『そうか…』


そう言って俯く神父さんの悲しげな瞳は
今でも鮮明に思い出せる


顔を上げた神父さんは決心したように一度頷くと
ゆっくりとした口調で話し始めた


あたしがソコにいた理由を…


神父さんが教会の掃除をしている時
椅子の上に寝転んでいるあたしと置手紙を見つけたらしい


その手紙には、こう綴られていた…


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