大空の唄


「そういやあさ
何て名前なの?」


「はぁ?今さらかよ」


地味メガネはあたしの今更な質問に呆れたように眉をしかめる



今更だけど実はずっと気になっていた地味メガネの名前



いつまでも地味メガネって呼ぶわけにもいかないし



何ていう名前なんだろう



あたし的にはヒロシとかヨシオとかタダシとか日本的な名前のイメージがある



地味メガネは小さくため息をついたあと立ち上がりテーブルの上にある紙とペンで何かを書き始めた



「俺の名前…どうせ読めないだろうけど…」



バカにしたようにフンと鼻で笑われ、あたしは顔の前に突き出された紙を受け取る



「どうせって…読めるわよ…」



馬鹿にしないでと言おうとしたが紙を見た瞬間その言葉を飲み込んだ



「かじわら…あおぞら!?」



「バーカ、誰があおぞらだよ…」


"梶原 蒼空"



そう意外にも綺麗な字で書かれた4文字の漢字



"あおぞら"って読むじゃん
てかそれじゃなきゃ何て読むのよ?



確かにおかしいとは思いながらもそれ以外の読み方が分からずに首を右へ左へ傾ける



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