大空の唄


「バカなのは顔だけじゃないんだな」


「なっ!?どういうことよ!?」



「顔がバカそうって事だよ」



相変わらず口の減らない地味メガネを軽く睨み付ける



「で!?」


「はぁ?」


「何て読むの?」



あぁと言いながらソファーにもう一度腰をかけながら地味メガネは



「そら…"かじわら そら"だよ」



ため息混じりにそう呟いた



ソラ…?



意外な名前に驚き名前の書かれた紙と地味メガネを交互に見る



それに"蒼空"で"そら"って読むんだ



「当て字だよ、当て字!

じろじろ見んな」



思いの外凝視し過ぎたのかあたしの疑問を察した蒼空はそう言ってふいっと顔を背けた



「いや、意外だな、と思って」



「意外で悪かったな」

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