大空の唄
「ライブ、がんばってね」
その言葉に一番に頷いたのは陽だった
「絶対に成功させるよ」
そう続くように微笑む翔
そして
「あ、あぁ」
3人に“お前も誓え”というような視線を向けられ
俺もしぶしぶ頷いた
すると絢音は「よしっ」と満足げに微笑む
俺は近くにあったファッション誌を開き
ページをペラペラ捲りながらぼーっとそれに目を通した
ライブまであと3日
今回のライブは今までで一番大きなステージでのライブだ
失敗は許されない
…というか失敗はしたくない
「大丈夫
努力はきっと報われるよ」
その声にハッと顔を上げるとそう言って俺を覗き込む絢音と目が合う
「大丈夫だよ」
“大丈夫”なんて何の根拠もない言葉
なのに何で、俺はその言葉にその笑顔に安堵したのだろう