大空の唄
あと5分…
さっきから何度も何度も時計を見ている気がする
妙に時間が経つのが遅く感じ、さらに緊張が増す
いつもライブが始まる前はうきうきしているけれど、こんな気持ちになったのは初めてだった
まるで、自分がこのステージに立つようなそんな緊張感
これも、緊張感漂うみんなの姿を見てきたからだろうか
しかし不思議なことに時間が経つたびに増えるのは、不安ではなく大きな期待だった
早く3人の奏でる音楽を聞きたい
陽のドラム、翔のベース、空のギター
そして空の歌声
これらが共鳴したときそこに漂う空気が一瞬にして変わる
どんなに首が疲れて痛くなったって彼らから目が離せなくなる
誰もが、その音色に心を奪われる
それは彼らの持つとても不思議な魅力何だと思う
だけどその反面、少し寂しくもなる
3人がとても遠い存在に感じてしまうんだと思う
以前はそれが当たり前だったから、逆にライブでは3人を近くに感じていたのに…
そう思うと変な感じだ
きっと、彼らに出会ってそばに居られることになって変わってしまったんだろう
だけど確かに変わらないこともある
それは3人の奏でる音楽が大好きだってこと