大空の唄




色々と思考を巡らせているとパッと辺りが暗くなった


一気に沸き立つ会場


どこからともなく3人の名前を叫ぶ声が聞こえる


あたしは周りの雰囲気に押し潰されないよう足に力を入れ、グッと踏ん張った


いよいよか!!


そう思った瞬間暗闇の中に歪んだギター音が響いた



真っ暗で周りが見えないせいか、音が広い会場を駆け抜けていくようなそんな不思議な感覚


そして、歪んだギター音に共鳴するように低く心地いいベース音


続くように控えめで軽快なドラム音が響いた


その音たちは競争などせずに共に会場を駆け回り、徐々に勢いを増す


遂に音が会場を埋め尽くしたときステージの証明がパッと明るくなった


明かりと共に会場の温度が一気に上昇する


叫ぶ観客、それに負けない演奏


そして空の歌声が会場に響いた瞬間、全身を電気が走ったような感覚が襲った



< 356 / 378 >

この作品をシェア

pagetop