大空の唄


「あ!!絢ちゃん!!」


そわそわ画面を見ていた陽が突然そう言って叫びながら、液晶を指さす


「わっ!!まじだ!」


それにつられるように翔も画面に近寄りながら叫ぶ


俺は聞かぬ振りをして、チューニングを終えギターをギタースタンドに戻した


しかし


「蒼空も見てみー」


その言葉と共に翔に腕を掴まれ強制的にテレビの前に立たされる


「ココ、ココ!!」


そう言って陽の指さすところを見てみると


確かにいた


柄にもなくそわそわし、少し緊張した様子のアイツが


「あや、緊張してね?」


「してるねー!可愛い

って蒼空、どこ行くの?」


翔と陽は液晶を見ながら盛り上がっているようだったが、俺の行動に気付くとすかさずそう声をかけた


俺はその問いに答えずにその場を抜け出した




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