大空の唄
見たくなかった
せっかく心を落ち着けていたのにアイツらのせいでまた心臓が騒ぎ始めた
まじで真正面かよ
俺は心の声を飲み込むように、息をのんだ
「空君どこ行ってるの?
もうすぐ本番だよ?」
途中廊下ですれ違ったスッタフにそう声をかけられたが
「トイレです、すぐ戻ります」
俺は足を止めることなくそれだけ言う
なんか、アイツらがそわそわする理由
今ならわかるかもな
悔しいけど…
騒いだって何も変わらないと分かっていても
ジッとしていられない
ギュッと拳を握ると、そこにじんわり汗をかいているのが分かる
俺らしくもない
だけど、このライブだけは絶対に成功させたい
俺たちにとって過去最大規模のライブだから
そして・・・