大空の唄
『なんとなく』その根拠も何もない回答に俺らは一瞬目を合わせた
「すごいよ!絢ちゃん!」
始めにそう言って口を開いたのは陽だった
「やめろ、コイツが調子乗る」
嬉しそうに微笑む絢音を横目に俺は冷静にそう言う
経験上バカはおだてるべきではない
「何ー!?」
そう言って頬を膨らます絢音
俺はそんな絢音を見て視線をそらし「何でもない」とだけ言った
更にしばらく歩くと最寄りの駅にたどり着いた
決して小さな駅ではないが、人はあまりいない
「じゃあ僕と翔は路線違うから
お二人さん仲良くねー」
陽はそう言って俺らとは反対側に歩いて行く
「ちゃんと絢のこと送れよ!」
「あぁ、はいはい」
翔の言葉に俺は適当に返事を返した
「ばいばーい!!
またね!!」
そう言って2人に大きく手を振る絢音
ほんと元気なやつら…
俺は待つわけもなくスタスタと駅の階段を踏みしめた