大空の唄
口を抑えられてもなお何かを言おうとする絢音は俺と目が合った瞬間、ニヤリと目を細めた
「何だよ」
俺は想像していた以上に自分と絢音との距離が近いことに気が付き、パッと手を離し再び目をそらした
「蒼空の目、好きだなって思って」
なっ…
隣に座る絢音は伏せ目がちにそういう
俺は必死に平常心を保った
「何言ってんだよバカ」
そう言って再び携帯を開く
「や、えっと…
目だけって意味じゃなくて
もちろん全部好きだけど…」
そんな俺を見て機嫌を損ねたとでも思ったのか
絢音はそう言って隣で必死に弁解し始める
あーもぉ!!
「そう言うことじゃなくて!!」
思わず大きな声を出してしまう
すると、先ほどまで騒いでいた絢音が一瞬できょとんとした表情になった
「じゃあ、どういうこと?」