大空の唄
疑問 -AYANE-
「瑛さんの言った通りでした!!」
次の日―――
少し早めに着いたあたしは、準備をしながらちょうど同じ時間に来た瑛さんの元へ向かった
「だろ?」
詳しく話した訳でもないのに全てを分かり切ったように微笑む瑛さん
「はい、もう、予測不可能な不思議野郎です…」
冷血なのか、優しいのか、なぜ笑わないのか、疑問は次から次へと浮ぶ
「やっぱり、絶対そう思うと思ってたよ」
いや、瑛さんも充分不思議かもしれないけど…一瞬浮んだそんな思いを飲み込む
「あいつ、昨日も仕事終わった瞬間、何も言わずに急いで帰ってました
あれ、いつもなんですか?」
昨日の事を思い出しながら、とりあえず瑛さんの分かりそうな事を尋ねてみる
「いつもだよ、蒼空は最強に付き合い悪いからね」
そうなんだ…
毎日毎日、用でもあるのか、それともただ単に早く帰りたいだけなのか…
まさか…彼女の元へ…とか…?
「まさか、ねー」
「何がまさかなんだ?」