大空の唄
…うっ
不意に後ろから聞こえた声に心臓が停止してしまいそうなほど大きく脈打つ
言うまでもないが、その声の持ち主は噂の予測不可能な不思議野郎"梶原 蒼空"
「な…何でもない!!」
あはははと不自然に笑うあたしを変なものでも見るような目で見た蒼空は
「あっそ、それよりやる事紙に書いといたからやっといてね~」
そう言ってあたしにずらーっと文字の書かれた紙を渡すと関係者用の部屋のドアノブに手をかけた
「ちょっ…あんたは何すんのよ!?」
「お昼寝タイム、昨日あんまり寝てないんだよね…」
「はぁ?ちょっと、待っ…」
ガチャ
扉が開きそこに何の躊躇いもなく入って行った蒼空は、
"後はよろしく"そう左手をひらりとあげてパタンと扉を閉めた
「ちょっと!!!」
あたしも追うように扉に手をかけるが、その瞬間ガチャっという音が響き
その音が鍵を閉められた事をあたしに知らせた