大空の唄

秘密 -SORA-


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「本番5分前です、スタンバイお願いしまーす」


行くか…


めんどくさいと思いながら楽屋のソファーからゆっくり立ち上がる


今日は【Love & music】という人気音楽番組の収録



収録続きの毎日に心の中で小さくため息を付きながら歩き出そうとすると隣に座っていた翔に不意に腕を掴まれた


掴まれた腕を見てそのまま翔の顔に視線を変える


「何だよ?」


何か言いたげな顔をして、俺の質問に答えることもなく、ただ俺の目を真っ直ぐ見てくる



「何だよ?」


今から収録だぞ?


顔を歪め少し声を張り繰り返し尋ねると翔はゆっくり口を開いた


「お前、女出来た?」


「はぁ?」


突然訳の分からない事を聞かれ、ついトーンが外れた間抜けな声が出てしまう


「俺が女何か作ると思うか?」



何を言うかと思いきやそんな当然なことを…


「バーカ、俺様に女の臭いが分からないと思ったか?」


「は?」


女の臭いなんて、一体どこから…


そう考えていると翔は俺のジャンパーに顔を近付けまるで犬のように鼻をピクピクさせて臭いを嗅ぎ始めた


「何だよ、気持ちわりぃ」


そう言って離れようにも腕を掴まれていて身動きが取れない


「やっぱりこれだ、このジャンパー、空のじゃない香水の臭いがする…これは…今、女子に人気のPINK BLACKYだな」


さすが、女好き…


とでも言えばいいのだろうか


それにしても、何で…


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