大空の唄

-AYANE-

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「どうして、ここに…?」


外に飛び出し蒼空を見つけたあたしはそのまま跡を追った


ストーカーみたい?
いやいや違う、どちらかといえば探偵気分


そして、速足で進む蒼空を必死に追いかけある建物に入って行くのを目撃した


ここが、蒼空が急いで向かう場所?


「大和テレビ…」


大きな建物を見上げ書かれていた文字を読んでみる


そこには、確かに、間違いなく、"大和テレビ"そう書かれていた


大和テレビって…あの、有名な、"ヤマトテレビ"だよね…?


果たして蒼空はここに何の用があるのだろうか…


頭に疑問が浮かぶ


いや、今日はたまたまここに来ただけだと考えた方が良いのかもしれない


だって、毎日こんなところに来るなんてあり得ないし…


こんなところに毎日来るなんて、芸能人じゃないんだから…


そうやって一人でテレビ局の前でおどおどする


入ろうか、でも…



建物の大きさに、心なしか放たれるオーラに圧倒されて入るのをためらう


どうしよーー


そうやって行ったり来たりと怪しい動きをしていた時だった


「早く〜Love music始まっちゃうよ〜」


「待って!!」


Love music!?


あたしは通りすがりの若い女の人の会話にピクリと反応して身体を止めた


そして……


「今からLove musicの撮影なんですか!?」


考えるより先に口が動いていた

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