大空の唄
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やっと撮影が終わり
楽屋のソファーに倒れこんだ
疲労と解放感で大きなため息が漏れる
今日の撮影はこれで終わりか…
そう思うと一気に力が抜け、ソファーの柔らかさと気持ち良さにうとうとしてきた
少しだけ、そう思って目を閉じる
「そーらー」
遠のく意識の中に微かに聞こえる声
無視、無視、ともかく今は眠りたい
だけど………
「おいっ、何寝てんだよ」
ガツッ
「いってぇ!!」
頭部に走った痛みが眠りかけた俺を目覚めさせた
目を開くと悪戯に笑う翔と陽
「空くん♪早く帰ろう」
八重歯をちらつかせる陽の手には、もうすでに俺の荷物が握られていて
「てか、早く!!!」
そう引きつる笑顔で翔が俺の手を掴み無理矢理起こされた
ったく…
こいつらは1度言いだすと
しつこいんだよな…本当…
俺はため息を着きながらも
しぶしぶ帰る準備を始めた