大空の唄
前髪長めの黒髪ウィッグに、地味な感じのメガネ…
外用の自分に、歩きながら変装する
陽と翔も外では変装して街を歩く
それは俺らが人気になった代償
人気と引き替えに奪われた…自由…
性格も容姿も外の世界と中の世界と使い分けなくてはならない…
どっちが本物なのか、俺はたまにそんな疑問を自分に投げ掛けたくなる
「その子、かわいい?」
「別に……」
目にかかる鬱陶しい前髪を軽く分けながら
相変わらず楽しそうな翔の質問も軽く流す
「つか、お前らもそろそろ化けろよ?」
そう二人をチラッと見ながら角を曲がった時だった
ドンッ
「痛っ……」