大空の唄


急に身体を襲った衝撃


同時に誰かが床に倒れ込むのが見えたので、誰かと衝突したことと

背丈や服装からそれが女だということははすぐに分かった


「すみません…」


ここは、テレビ局。相手が大物だったらめんど…じゃなくて、ヤバい


そう思った俺は慌てて視線を倒れている女に落とす



「いったーい」



そう言って尻餅をつく女が顔を上げた瞬間……



「あ…」



時間が一瞬止まったような気がして、思考が停止するのが分かった



一度瞬きをして、再び今の状況を確かめる


「そ…蒼空?」


この時ほど"逃げたい"そう思ったことはない


思考が停止する一方、


これが大物芸能人とぶつかるよりも、さらに面倒な事だという事を痛感せざるを得なかった…


< 53 / 378 >

この作品をシェア

pagetop