大空の唄



立ち止まりゆっくり振り返る蒼空の顔も、何故か強ばっているような気がした


自分が追い込まれているから、そう見えるだけなのか…


それとも……


いろんな事が頭を回り
ごちゃごちゃになるけど


あたしは掴んだ蒼空の手を
ジッと見つめたまま


少し冷静になって呟いた


「蒼空、本当は"SONG OF SKY"のファンなんだね?」


静かになるスタジオの廊下


人通りは全くなく自分が
一体どこにいるか分からない


少し黄色がかった蛍光灯が
優しく辺りを照らすのに


今、蒼空とあたしの場所以外は
全て闇に包まれてしまったみたいに


この時のあたしは周りなんて
全く見えてなかった…

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