大空の唄
約束 -AYANE-
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蒼空が空で空が蒼空―…?
授業中だということも忘れて、ぼーっと自分でもはっきりしないどこかを眺める
あたしの席は窓際の1番後ろ。教卓からも遠く、夏には涼しい風が吹き抜け、冬には太陽の光が暖かい、そんなクラス1の特等席
窓からグラウンドを眺めると違うクラスの男子達が体育でサッカーをしているのが見える
楽しそう……っじゃなくて…あーもう!!
半ば機能停止常態で、絡まり合ってしまったの思考回路
あたしは外を眺めているが視点は合わない。そんな常態になっていた
「いず……いずみ…いずみさん?泉さん!!」
「は、はいぃっ!!」
大きな声に慌てて我に帰る
やっとはっきりした視界に映ったのは教室の前で腕を組み引きつる笑顔でこちらを睨み付ける厚塗りオバサン教師と、裏返ったあたしの声に爆笑するみんなの視線
「今、何の時間かしら?」
そう言われて少し言葉が詰まる…
今は…今は…?
「あ、英語の時間ですかね?」
「ですかね?じゃない!!
早く120ページの3行目読みなさい」
笑顔で誤魔化そうとしたが、見事に失敗…あたしはおずおず返事をして教科書を開いた