大空の唄


え………?


翔の何気ない一言で一瞬にして辺りの空気が凍りついた


『どうするって…蒼空が、空なわけ…な…い…』


そう口にした瞬間、脳裏をさっと何かが過った


─リーダーでギター兼ボーカルの空です


それはさっき生で聞いたSONG OF SKYの空の声と


─すみません


ぶつかってきた時の蒼空の声


─聞き覚えのある声だな


そしてその時のあたしの心の声


『!』


それらが1つに繋がった時…
絡まっていた糸が一気にほどけた…


『えええー…っんんー』


『黙れ、うるせぇ』


いつのまにか背後に回っていた蒼空に口を押さえられ叫ぶのを遮られた


空が蒼空、蒼空が空??


あたまが状況に着いていけなくなっていて、半ば放心常態


気が付くとあたしはテレビ局ではない、誰かの部屋のような所に座っていた


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