大空の唄


陽と言い争いつつ さっさと昼食を済ませスタジオに戻ってきた俺たちは午後のレコーディングが始まるまで控室で時間を潰す


ソファーに寝そべり天井を眺めていると相変わらず頬を膨らまし、睨み付けてくる陽の視線を感じる


「つか、何でアイツに俺のことばらしたんだよ?


アイツ馬鹿なんだから言わなきゃ一生気付いてなかったのに…」


俺は陽の視線から逃げるように鏡で髪をセットしている翔に投げ掛けた


そのちゃらちゃらした容姿からは想像出来ないが翔は実はメンバーの中で1番の秘密主義者


しかも悔しいけど、馬鹿じゃない


だからあの翔がその日会ったばかりのヤツに俺たちの秘密を易々ばらしたことを俺は正直不思議に感じていた


「んー何となく」


翔はワックスを手に取りながら適当に答えた


翔は、あまり親しくない人の前や、めんどくさい時に、よくこうやって、何も分かってない、何も考えていないようなふりをする


翔の悪い癖だ


「真面目に聞いてんだけど?」


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