大空の唄
ぼーっとしすぎて気がつかなかったけど
もう既に昼休みになっていたらしく
あたしたちは机を向かい合わせてお弁当を開ける
「今日の絢音 変だよ?
いっつも変だけど…
いつもの絢音らしくない!」
「ちょっと!!
いっつも変だけどって何よ!?」
「ねぇ!何かあったの!?」
美咲さん……あたしの反論は聞いてくれないんですか?
いつも以上に強い美咲にあたしは魂が抜ける感覚を覚えた
美咲には勝てない…
「どうなの!?」
美咲は再び答えを急かすように少し音量を上げてそうたずねた
どうなの…と言われましても…
『絶対誰にも言わないこと』
翔の言葉が頭に響いた
美咲は親友だし…隠し事なんて
したくないんだけど…
ごめん、美咲…
いくら美咲でも人の秘密を話す訳にはいかない
あたしは言いたい気持ちを抑え言葉を飲み込んだ