大空の唄


食器を洗い終わるまで
ずっと話続けた


きっと蒼空はいい加減にしろよと思ってるだろうけど


何も言わずに黙っていてくれたから


聞いてる聞いてない関係なく


あたしの口は止まらなかった


「先輩はあたしのこと
ただの可愛い後輩としか
思ってないと思う?」


ちょうど洗い負えた最後のコップを見つめる


蒼空の言葉を待ちつつ
コップに移る自分に語りかけるように…


「知らねぇよ…」


あたしが振り替えると蒼空は
立ち上がりあたしに背を向けた


「他人の気持ちなんて
誰にも分かんねーんだよ

バカがない頭で
んなこといちいち悩んでんじゃねーよ」


蒼空はそう言ってチラッと
こっちを振り替えると


べーっと舌を出した


『他人の気持ちなんて
誰にも分かんないんだよ』


蒼空の言葉が頭に響く


それと同時に心の中でモヤモヤしていた何かが
スッと消えていった



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