大空の唄
「聞いてくれてたんだ」
「聞こえたんだよ」
「蒼空に話してよかったよ」
「あっそ、こっちはいい迷惑だけど?」
憎たらしい事を言いつつ
蒼空の顔が一瞬微笑んだように
見えた、気がしたから
あたしも満面の笑顔を返した
蒼空に聞いてよかった
直感は間違ってなかったんだ
それと同時に蒼空の冷たさの
中にある優しさが見えた気がした
「なんだよ…
ニヤニヤして、気持ちわりぃ」
「あー気持ちわりぃって言った」
「気持ちわりぃ気持ちわりぃ
気持ちわりぃ!!」
…気がした
そして逆にその冷たい何かに
対する疑問が生まれたけど
まだまだ蒼空はあたしのとって
予想不可能な不思議野郎で
あたしの心にまだ誰も
入ってこれないように
蒼空の心に触れるのも
まだ早いと思うから…
あたしはその疑問を
心にそっとしまった