大空の唄



初めてあいつと出会った時


周りといつも一定の距離を取り
常にバリアを張っていた俺のバリアを


こいつはいとも簡単に壊しやがった


「はい!蒼空の負けー!」


絢音が揃ったトランプを見せつけるように
俺の前でひらひらさせる


俺は最後まで手の中に残ってしまった
ジョーカーをトランプの山の中に
少し強引に叩きつけた


「罰ゲームだよ?」


なっ…!


「嫌だ!」


わざとらしく耳元で言う翔から
逃げるように後退りをする


「拒否権なし!
絢音ちゃん罰ゲーム決めていいよ」


陽に腕を掴まれた俺は逃げられないと察した


「うーん……」


腕を組み真剣な眼差しで俺を見る絢音は
しばらくすると「あ!」と
声をあげてニカッと笑った


嫌な予感がする…


「ギター弾き語り
ミニライブして!!」


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