大空の唄
曲が終わり現実に戻ると
直ぐに目を輝かせるアイツと目があった
トクン
心の奥で聞こえるこの音の
正体は何なんだろう…
「空だ…」
そういうとコイツはウザいぐらいの笑顔になる
「はぁ?当たり前だろ?」
反射的に目をそらして
バカにするように鼻で笑うと
元あった部屋にギターを片付けに向かった
1番最初に思いつくのが
歌に対しての評価じゃなく
俺が本物の"空"であることに対する感動かよ
まだ疑ってんのか…?
変なやつ…
「でも絢音ちゃん…
正直空の本性知って聞くと
イメージ落ちない?」
部屋に戻るとニヤリと笑う翔と目が合う
俺はふいっと視線をそらした
そんなの関係ないんだよ
俺はイメージを上げるために
歌っているわけじゃない…