カウントダウン・パニック
そして再び現時刻へ


19時54分49秒



藤森が話し終えると風間は溜め息をついた。


「つまり本城は過去の事件を利用され、はめられたということか?」

「おそらく…」

「くそっ!やっと犯人が分かったというのに…」


風間は頭をかきむしる。


「それで話しからすると五年前の事件も関係しているみたいだが?」

「はい。まだ断定は出来ませんが。」

「それに“ヘルマン”ってまさか…」

「そうです。警部も気付きました?」


そう言うと藤森は手帳を開きヘルマンと書かれたページを開く。


「ヘルマン。手紙の宛名、今公演されているオペラの登場人物の一人、そして今回の星の自称。これはもしかすると何かあるかもしれません。」


するとちょうどその時、守衛室のドアをノックする音が部屋に響いた。

中に入ってきたのた団長の柿沼であった。


「どうも、警部さんはどこかと尋ねたところこちらだと伺ったので。」


軽く会釈をしながら柿沼は風間に近づく。


「どうかしましたか?」


風間は先ほどまでの苛立ちを隠しながら尋ねる。


「いえ、爆弾の方はどうなったかなと思いまして…」
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