カウントダウン・パニック
声を荒げながら言う寺崎の手を渡辺は掴み、自分の肩から下ろす。

それから寺崎の目を見た。


「無謀なのは承知の上です。ただ俺は残り時間最後の最後まで足掻いてみせます。」


すると今まで静かに会話を聞いていた赤羽が渡辺と寺崎の間に入り、二人の肩にポンと手を置く。


「そうね。今はまだ犯人を探し出して爆発を阻止することが出来るわ。例え可能性的に限りなく0に近くとも0.1パーセントの可能性があるならまだ私達は踏ん張らなきゃいけない!」

「赤羽…そうだな。我々が諦めてはいけないな。」


三人の意見が一致するとそれまで座ったままだった風間が立ち上がった。


「いいか、例え時間が残り少しだろうが、犯人が見つけにくい状況だろうが、我々の今の使命は爆発を阻止することだ!今この劇場内にいる者全ての命は我々にかかっている!」


一同はゴクリと生唾を飲む。


「最後まで全力で取り組め!!」

「はっ!」


一同は敬礼する。

そして、ラストスパートへ。
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