カウントダウン・パニック
彼らは部屋にあったパイプ椅子に座り、足下にある止まった九つの爆弾をみる。


「それにしてもよくこの爆弾、解除出来たよな…。」


厳しい表情を浮かべた刑事は止まった爆弾にそっと触れながら言う。


「だよな〜。だってあの訳の分からないヒントを元に解除したんだろ?本当、寺崎さんも赤羽さんも凄いよな。」

「でも話しによるとどうもヒント解読したの渡辺らしいぞ?」

「まじかよ!?あの渡辺が?」


小太りの刑事は信じられないと顔をする。

それもそのはず、普段の渡辺は結構抜けている部分が多く、署内でも頼りないと言われているからである。


「まぁ、人間たまにはキレる時もあるってことだな。」


仏頂面の刑事は腕を拱(こまね)き、パイプ椅子に少々仰け反りながら言う。


「それにしても随分とでかい爆弾だよな。」


小太りの刑事も近くにあった爆弾にそっと触れる。


「もし警部の言うとおり遠隔操作で起爆スイッチなんか押されたら先ず俺らが御陀仏だな。」

「おい、変な事言うなよ。兎に角、早いところ犯人捕まるように祈っとこうぜ。」

「そうだな…。」


二人の刑事は爆弾に囲まれながら、早く犯人が見つかるよう祈った。
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