カウントダウン・パニック
15時44分24秒



トゥルルルルルル



事務室にコール音が響く。

阿部は勿論、逆探知機の側で待機していた赤羽、寺崎、そして風間に緊張がはしる。

寺崎はヘッドホンを着けてから機械のスイッチを入れる。

それから阿部に合図を送ると阿部は電話に出た。


「もっもしもし?」

〔どうも。〕


電話の相手は肉声を機械によって変えた聞き覚えのある声だった。


〔事務員さん?〕

「はっはい…」

〔そこに警察いるでしょ?〕

「!!?」


思いもよらない言葉にその場に冷たい空気が漂う。


〔くくっ。別に警察に知らせたからって爆発とかしないから安心して?取り敢えず近くにいる警察に代わってよ。〕


阿部は風間を見る。

すると、既にスピーカーによりその旨を知っている風間は何の躊躇もなく電話を代わった。


「もしもし?電話を代わった。」


すると一瞬電話の相手は鼻で笑ってから会話を始める。


〔ハジメマシテ。私はヘルマン。ここで忠告です。前にも言ったけど公演を中止にしたり、途中で客を避難させても即ドカン。一旦入場した客は絶対最後までこの会場に居なければなりません。〕
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