カウントダウン・パニック
風間は拳を強く握る。


〔それから爆弾を見つけても劇場から出したらその時点でドカン。あくまでその建物内で解体してね。建物内ならどこで解体してもいいよ。あっ、そうそう。爆弾の件は別に客に教えてもいいよ?但し開演した後の話しだけど。人質こなくなっちゃうからさっ。〕

「貴様…!!」


風間は歯を食いしばった。


〔人質が恐怖に逃げ惑う姿が見てみたいもんだね。では、また連絡する。〕

「あっ、おい!まてっ!」


風間の呼び止めにも応えず電話は切れた。


「くそっ!寺崎、逆探知出来たか!?」


手に持っていた受話器を元の場所に戻しながら訊ねる。


「ダメです!後少しだったんですが…」


寺崎は着けていたヘッドホンを外しながら言う。


「そうか…。まぁ、また連絡がくる可能性は大だからその時もう一度してみよう。」

「はっ!」

「警部、それより問題なのはあまりに人質が多いということでは…。」


風間たちと同じようにこの部屋で犯人からの電話を聴いていた赤羽が口を開いた。
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