カウントダウン・パニック
それから、もしどうしても私に会いたくなったら目を瞑って。

いつでもあなたを応援している私に会えるから。

最後に。

ずっと愛していました。

それじゃあ、いってきます。


大好きな仁科経政へ

湯布院爽』



読み終えると仁科は額に手を当て笑い出した。


「あはっ、あはははは!!!」


突然笑い出したのでその場にいた者達は驚く。

すると仁科は静かに目を閉じた。


「バカだな…。俺は本当に大馬鹿者だ…。」


そのまま仁科は涙を流し、嗚咽混じりの声を上げた。



もし、五年前の事件の時にすぐにこの遺書が仁科の元に届いていれば、彼はこんな思いをしなかった筈…



その場にいた者達はそんな事を痛感させながら部屋に響く嗚咽を静かに聞いた。
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