カウントダウン・パニック
その後三十分程経つとほとんど客足も引いたので外で待機していた警察官達に仁科を護送させた。

応接室に置かれた九個の爆弾は完全に止まっている事を仁科に確認させてからその場で爆発物処理班の手によってすべて解体した。

それから、今回の事件により白日の下に晒された一年前と五年前の薬物混入事件の真相。

仁科の証言により、遠藤朋華と以下一名を任意同行することとなった。

更に犯人がこの劇場を建てた本人という事で一時向こう一ヶ月休演すると騒がれた。

しかし劇場内に特に問題もなく、更に甚大な損害を被る(こうむる)恐れがあるため予定されている今後の公演も滞りなく進められることとなる。

後にそれを聞いた仁科はどこか安堵した様子を見せたという。
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