カウントダウン・パニック
そしてその夜。



警視庁



事件の後処理を終えた寺崎と赤羽、更に渡辺の三人は各々の席についたまま話しをしていた。


「あー、それにしても長い一日でしたね。」


渡辺はこれでもかという感じに大きく伸びをする。


「全くな。爆弾探すために走り回り、解除するために頭使ったり。本当、疲れた…。」


寺崎は肩を回しながら言う。


「そういえば今日、渡辺大活躍だったわよね。」

「えっそうですか?」


突然赤羽に誉められどこか照れくさそうにする渡辺。


「まぁ確かにな。普段の渡辺はどこか抜けていて頼りないが今日はなぜか輝いていた。」

「えっ、俺そんな風に思われてたんですか?」


しみじみ言う寺崎にどう反応していいか困る渡辺であった。

すると赤羽が机においてあった冷めかけたお茶を手に取りながら話す。


「でも今日凄かったのは事実よ?だって爆弾の解除コード解いたのも、最後のパスワード解いたのも渡辺なんだし。」

「そうだな。なんであんな物解読出来たんだか不思議だな。」


手を拱(こまね)きながら寺崎は感心する。


「ああ、それは…」
< 150 / 154 >

この作品をシェア

pagetop