カウントダウン・パニック
電話の向こうで笑っている犯人の声が僅かに電話越しに響く。

風間は湧き上がる苛立ちを抑えて話し出す。


「今度は何だ!」

〔あぁ、そうそう。お知らせをね。ケイブ殿が準備した爆発物処理班いるでしょ?〕


一瞬風間の体が強張った。


〔あれ、邪魔になるから帰した方がいいですよ?〕

「どういう事だ!」

〔実はね、私が仕掛けた時限爆弾はあなた達の爆発物処理班では解体出来ないんですよ。〕

「何だと!?」

〔無理やり解体したり、勝手にコードを切ればその場で“さよなら”になるように設定してありますから。〕


その言葉で岩井と事務員達に今までにない緊張感が走る。


「じゃあどうしろと言うんだ!」


風間の抗う声が受話器に向けて発せられる。


〔大丈夫ですよ。ちゃんとタイマーの止め方教えてあげますから。おっと、そろそろ時間だ。じゃあ、また。〕


犯人は意味深な事を言い残し電話を切った。

風間も舌打ちをしながら電話を切る。


「岩井、逆探知は!?」


機械操作をする岩井に訊ねる。


「ダメでした。後少しだったんですが…」
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