カウントダウン・パニック
16時45分05秒



トゥルルルルルル



コール音に風間と岩井の体が同時に動いた。

それと同時に阿部も受話器に手をかける。

するとそれを遮るように風間が阿部の手を退ける。


「私が出ます。」


阿部は頷くと二、三歩下がった。

風間は岩井を確認すると電話を取る。


「もしもし。」

〔あれ?今度はケイブさんがいきなり…よく私だって分かりましたね。〕

「どうでもいいだろ。それよりさっさとタイマーを止める方法を教えろ。」

〔はいはい。分かりましたよ。〕


犯人がやけに素直な事が気になり、風間はなぜか胸騒ぎがした。

だが止め方を教えるというので大人しく電話に耳を傾ける。


〔ちょっとしたゲームです。〕

「ゲーム?」

〔ええ。〕

「ちょっと待て。」


話しを続けようとする犯人に制止をかける。


「ゲームって、直ぐにタイマーを止められないのか!?」

〔当たり前じゃないですか。そんな直ぐにタイマー止められたらスリル味わえないでしょ?〕

「貴様…!」


どうやら風間の胸騒ぎは最悪な方向へどんどん向かっているようだ。
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