カウントダウン・パニック
〔別に私はこのまま止め方教えなくてもいいんですよ?デカい花火見たいし。〕
犯人は語尾に音符が付くような軽い声で言う。
風間は拳を握り締めた。
「いや、続けてくれ。」
犯人はフフンと笑ってから中断された止め方の続きを話しだす。
〔いいですか?私が仕掛けた爆弾にはみな液晶パネルが一面、キーボードパネルが一面付いている。そのパネルには二十六のアルファベットが表示されている。〕
「アルファベット?」
〔そうだ。そのパネルである単語を打てば解除成功。但しチャンスは一回、間違えればその場でゲームオーバー。どうなるか分かるよね?〕
「ふっふざけるな!そんなんで単語が分かるわけないだろ!!」
風間は声を荒げる。
〔大丈夫ですよ。特別に最初の一文字だけは既に表示してありますから。それからもう一つ。十個の爆弾の単語は全部違いますからね。〕
「なっ、時間もないのにそんな十個も!」
〔そう。急がないと。みーんな花火の一部になっちゃいますよ。ははっ!〕
犯人の笑い声がやけに響いた。