カウントダウン・パニック
風間は少し冷や汗を掻く。


〔それではそろそろ時間なんで。頑張って下さいね。〕

「ちょっ、待て!貴様の目的は!?」

〔目的?御想像にお任せします。〕


結局目的はわからず、ただ犯人からの挑戦ともいえる電話は切れた。


「くそ!」


風間は受話器を叩きつけるように定位置へ戻す。

そして無理だと分かっていても一応確認する。


「逆探知は!?」

「いえ…。それより警部、ゲームだなんて…急いで単語を考えなければ!」


ヘッドホンを外すと岩井は風間のもとに近づく。


「そうだな。取り敢えず現物を見てみないと何とも言えん。まだ一つも発見出来ていないみたいだが…。」


風間は机の上に置きっぱなしにしておいた冷めたインスタントコーヒーを飲み干した。


「岩井、今の電話録音してあるか?」

「はい!」

「じゃあそれをテープでも何でもいいから違う物に録音しといてくれ。」

「分かりました。」

「それからもし犯人から連絡があれば君が対応しておいてくれ。」

「はい。」


すると風間は事務室を出た。
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