カウントダウン・パニック
17時00分08秒



開演



先程まで沢山いた客は皆席に着いているので今はホール内以外はガランととしている。

それにより動きやすくなった刑事達は一斉に大きく動き出す。

エントランスで手荷物検査をしていた刑事達もそれぞれ風間に指示されていた場所へ向かった。





その頃風間は事務室にいた。

今まさに犯人からの最後の連絡を受けたところだった。



約四分前。



16時58分13秒



トゥルルルルルル



つい先程事務室に戻ってきた風間は敏感に電話の音に反応する。

すると岩井を確認し、一呼吸おいてから受話器を取った。


「もしもし。」

〔最後にとっておきのヒントだ。〕

「ヒント?」

〔ああ。急がないと主役は己の数字に喰われますよ?彼等は自らの場所でその時を待っています。〕

「……?」


風間は犯人がヒントと言う言葉の意味が分からず黙った。


〔それじゃあこれでサヨナラ。もう電話しないから。生きてたらまた会おう。〕

「まて!金なのか!?目的は金なのか!?」


最後だというこの電話切らさないために必死に通話を続ける。


〔…知る必要ない。〕


こうして最後の電話は切れた。
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