カウントダウン・パニック
「警部!」
藤森はすぐ側にいた風間義行(かざまよしゆき)に電話のその旨を報告する。
警部である風間は報告を受けるとかけていた眼鏡を少しくいっと上げた。
「そうか。わかった。では藤森は至急爆発物処理班に連絡をしてくれ!」
「わかりました!」
周りで話しを聴いていた刑事たちが少しざわつく。
「赤羽!行くぞ!」
「はっ!」
風間はパンツスーツ姿によく似合うショートカットの刑事、赤羽千和(あかばねちわ)に声をかける。
赤羽は敬礼すると素早く上着を羽織る。
風間も背もたれに掛けておいた背広に手を掛け行動を開始する。
風間は赤羽と何人かの刑事を引き連れて部屋を飛び出した。