カウントダウン・パニック

17時56分48秒



ホール内の明かりが点き客が次々に出て行く。

それと同時に刑事達はそれぞれ舞台、客席、オーケストラピットの捜索に入る。





舞台



次なるセットを準備している大道具係に混じり捜索する。

思っていた以上に舞台は広く、派遣された五人の刑事は素早くチェックを入れる。


「おい！邪魔だ！」

「何してんだ！さっさと準備しろ！」


たまに怒声を飛ばされたが適当に誤魔化し、そのまま続行させる。





オーケストラピット



ここは休憩時間特に人もいないのでここを担当する二人の刑事は急いで捜索する。

範囲も狭いので直ぐにチェックが入れられる。


「お兄ちゃん何してるの？」


いきなり頭上から声が降ってきて一人の刑事は驚き上を見上げる。

そこには小学生、しかも一、二年だと思われる男の子がいた。

オーケストラピットが物珍しいのか客席の階からこちらを覗き込んでいる。


「えっあっ…お仕事だよ！」


少しテンパって答えてしまった。

まぁ、実際仕事には変わりないので嘘はついていないと自分に言い聞かせて。