カウントダウン・パニック


「おい!さっさと仕事しろ!」

「っ、分かってるよ!」


共に捜索に入った刑事に小さな声で煽られる。

再び気を取り戻し捜索を始めようとしていた。


「何のお仕事?」


その場を離れようとした時また声をかけてくる。

時々子供は可愛い悪魔に見える。

一刻を争う状況下で子供とのんびり話している場合ではない。

そこに再び刑事の煽りが入る。


「おい!」

「分かってるって!分かってるけど…」


ゆっくり小学生の方を見るとまじまじと見つめてくる。


「豊(ゆたか)!お兄さんお仕事中だから邪魔しちゃだめよ?どうもすみません。」


その子の母親らしき人物が現れる。

刑事には救世主に見えた。

解放された刑事は急いで捜索戻る。







客席



三階まである客席、二千三百席を見て回る事は容易な事ではなかった。

客席を捜索するように指示された刑事は九人。

彼らは一階、二階、三階をそれぞれ三人で捜索する事にした。

その内赤羽は一階を、寺崎は二階、渡辺は三階を捜索する。
< 46 / 154 >

この作品をシェア

pagetop