カウントダウン・パニック
「おい!さっさと仕事しろ!」
「っ、分かってるよ!」
共に捜索に入った刑事に小さな声で煽られる。
再び気を取り戻し捜索を始めようとしていた。
「何のお仕事?」
その場を離れようとした時また声をかけてくる。
時々子供は可愛い悪魔に見える。
一刻を争う状況下で子供とのんびり話している場合ではない。
そこに再び刑事の煽りが入る。
「おい!」
「分かってるって!分かってるけど…」
ゆっくり小学生の方を見るとまじまじと見つめてくる。
「豊(ゆたか)!お兄さんお仕事中だから邪魔しちゃだめよ?どうもすみません。」
その子の母親らしき人物が現れる。
刑事には救世主に見えた。
解放された刑事は急いで捜索戻る。
客席
三階まである客席、二千三百席を見て回る事は容易な事ではなかった。
客席を捜索するように指示された刑事は九人。
彼らは一階、二階、三階をそれぞれ三人で捜索する事にした。
その内赤羽は一階を、寺崎は二階、渡辺は三階を捜索する。