カウントダウン・パニック
客席は舞台やオーケストラピットとは違い、休憩時間になっても席に着いたままの人がいる。

更に席を一度立った人でもトイレにから帰って来た人、ビュッフェから戻って来た人などが席に座ってしまうとその近辺の捜索は難航する。

そのため客席を捜索する九人は空いてる席から急いで綿密なチェックを入れていった。




一階



赤羽は主に前の方の座席を見てまわる。

特に座席の下を重点的に探す。


「やっぱり客席で怪しいといえば座席下よね…」


赤羽はしゃがみこんで座席の下を通路側から覗く。

これと同様の事を二階の寺崎と三階の渡辺は行っていた。




二階



一階に比べれば大分範囲は狭いが視覚が増えるので爆弾がある確率は上がる。

寺崎を含める二階を捜索する者は細心の注意をはらう。




三階



こちらも同様に範囲は狭いが視覚もある。

おまけにもし犯人がこの劇場を本気で爆破するつもりなら上層に仕掛けるのが自然である。

なので渡辺たちも隅々までチェックを入れる。


「うぉっ、高いな…」


下を覗き込んで見るとかなりの高さがある。

渡辺はなるべく下を見ないようにした。
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