カウントダウン・パニック
4≠3時間前
18時34分13秒



風間と藤森は三階の客席にいた。

二人はオペラグラスを片手に一階の客席を見る。


「あ。警部、久宝いました。1―8―22です。」


そう。二人はこの会場にいる久宝と輿水を探していたのだ。

輿水は照明スタッフとして仕事をしているので別の刑事を輿水に付けた。

久宝を発見した二人は静かにホールの外へ出る。

藤森は久宝が座っていた座席番号を予め持っていた座席表で探しそこにしるしを付ける。


「しかし、もしかしたら爆発するかもしれないという場所にわざわざいますかね?」

「確かに。途中で抜け出すにせよ、多分この犯人なら出入り口を厳戒態勢にとられることくらい予想している筈だ。それに復讐なら心中なんて考えられない。」

「やはり劇場にいない者が怪しいですよ。」


風間はうーんと唸りながら考える。


「よし。藤森、もう一度今日この劇場に来ていない者で怪しい奴を調べてくれ!」

「はい。」


藤森は敬礼すると小走りで去った。
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