カウントダウン・パニック
赤羽は手渡されたパンフレットの人物が紹介されているページを開く。


「どうしたっていうのよ…？」


パンフレットを見ていると横から渡辺も覗き込んできた。

すると渡辺はひらめいたかのように言う。


「そっそうか！最初のスペルがかぶっているんだ！」


渡辺の発言を聞き赤羽はもう一度よく見てみる。


「ほっ本当だわ…」


赤羽は持っているパンフレットと解除していない爆弾を交互に見る。

確かに残った爆弾“Ｅ”“Ｈ”“Ｗ”“Ｗ”はみな重複している。


「犯人はメッセージの中でチャンスは一回と言っている。つまり答えが分かっていても入力するべき爆弾が間違っていれば爆発してしまう…。」


寺崎はうなだれた。


「くそっ！ここまで分かったのに！」


渡辺は近くの机に握り拳をガンッと叩きつけた。

赤羽はパンフレットを見直す。

重複しているのはすべて二人づつ。

つまり二分の一の確率である。

どうやらそれには寺崎も気付いているようであった。
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