カウントダウン・パニック


〔ああ。急がないと主役は己の数字に喰われますよ?彼等は自らの場所でその時を待っています。〕


聴き終えてもやはり分からず三人は頭を傾げる。

すると同じく応接室で別の事をしていた風間がいきなり大きな声を出した。


「てっ寺崎!今のところをもう一度流してくれないか!?」

「はっはい!」


驚いた寺崎は急いで同じところを再生させる。




〔――ああ。急がないと主役は己の数字に喰われますよ?彼等は自らの場所でその時を待っています。

……?

それじゃあこれでサヨナラ。もう電話しないから。生きてたらまた会おう。

まて!金なのか!?目的は金なのか!?

…知る必要ない。〕




再生が終わると風間は最後のところをもう一度と言う。

すると寺崎は最後のあたりをもう一度再生させた。

聴き終えると今度はなにやら考え込んでしまった。


「警部?どうかしましたか?」


寺崎が声をかけると風間は我に戻った。


「…ちょっと、な。」


そう言い残し風間は応接室を出て行った。
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