カウントダウン・パニック


「警部は多分最初の“主役”を爆弾という意味に捉えてそう言ったんです。我々も最初解読する時にそういうことだと話しましたし。」

「そうだな。」


寺崎は一時間半前の会話を思い出しながら相槌を打つ。


「実は警部が言っていたあれはあっていたんです。」

「つまり“主役”は“オペラの中の主役”と“爆弾”を意味しているって事?」

「はい。」

「それじゃあ“急がないと主役は己の数字に喰われます”のもう一つの意味は警部が言っていた通り“爆弾はカウントする数を蝕まれ爆発する”ってとこかしら?」


赤羽は渡辺の方をちらりと見る。


「はい。多分そんな意味合いだと思います。」

「それじゃあこの“彼等は自らの場所でその時を待っている”は?」


赤羽が渡辺に答えを求める。

すると寺崎が渡辺が話すよりも早く口を開いた。


「もしかして“爆弾は自分がいるべき場所で爆発する時をまっている”とかか?」


「多分そういったとこでしょう。」


渡辺が頷くと寺崎と赤羽は喜んだ。
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