カウントダウン・パニック
すると赤羽が渡辺の胸を肘でつついた。


「しかし驚いたわ。渡辺が掛け詞を知ってるなんて。」

「それってバカにしてるんですか?」

「いやね!褒めてんのよ!」


するとそれに便乗し寺崎も渡辺の肩をポンと叩く。


「いや本当すごいよ。小野小町とかよく知ってたな。」

「何かバカにしかされていない感じなんですけど…。」

「褒めてんの!」

「褒めてるんだ。」

「まぁ、一応おれ文系でしたし…。」


渡辺は何とも複雑な気持ちで最後にぽつりと言った。

しかし喜びもつかの間、寺崎と赤羽はすぐに真剣な面持ちになる。


「だがこれでヒントは解けたとしても肝心な“爆弾があるべき場所”が分からないじゃないか。」

「それにこのヒントだけだとイニシャルが被っている爆弾は解除出来ないわよ。」


二人の言い分を聞くと渡辺はまぁまぁと落ち着かせる。


「大丈夫です。その件も既に分かってますから。」


渡辺は先ほど寺崎に見せてもらったメモを取り出す。
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